M&Aにはどんな費用がいくらくらいかかる?
近年、M&Aの実施件数は増加傾向にあります。
M&Aは、売り手と買い手の双方にメリットがあり、今後も増加が見込まれます。
後継者が見つからない企業や新規参入を計画している企業など、さまざまな目的でM&Aは実施されます。
M&Aの費用はどの程度かかるものなのでしょうか。
今回は、M&Aにはどんな費用がいくらくらいかかるにかについて解説します。
売り手にかかる費用
まず、売り手にかかる費用についてご紹介します。
1.税金
一般的に、売り手にとって一番大きな出費となるのが税金です。
具体的な税額はケースバイケースですが、基本的には売却額に対して以下のような税金が課せられます。
株式譲渡の場合、所得税が約20%
事業譲渡の場合、法人税が約30%
このように、M&Aの方法によって税率が異なるので、最適な方法を選択しましょう。
2.手数料
次に、仲介業者へ支払う手数料です。
一般的に、M&Aを行う際には仲介業者に登録し、その仲介業者に支払う手数料があります。
手数料には、着手金、中間金、成功報酬などいくつかの種類があります。
しかし、支払われる手数料は仲介業者によってさまざまです。
着手金と成功報酬のみを支払うところもあれば、完全成功報酬を支払うところもあります。
複数の代理店に登録することが想定されますので、ご自身のニーズに合った代理店をお選びください。
3.その他
上記二つが主な費用ですが、その他にもかかる費用があります。
そのうちの一つが株券の発行費用です。
M&Aでは、株式譲渡により株券を利用するケースがあります。
株券発行費用の目安は、数万円程度です。
買い手にかかる費用
次に、買主側の費用について紹介します。
1.買収費用
一般的に、買い手の費用として最も大きいのは、買収のための購入費用です。
購入費用の具体的な金額は、買い手や業種などによって異なります。
基本的には、後述するデューデリジェンスの結果に基づいて対象企業の価値を把握し、その上で購入価格を決定するという流れです。
また、日本の中堅・中小企業のM&Aでは、「のれん代」が含まれるケースが多くなっています。
のれんは、買収価格に3〜5年分の営業利益を上乗せしたものです。
したがって、中小企業のM&Aでは、取得価格とのれん代の合計が買取費用としてかかります。
2.手数料
売り手だけでなく買い手にも仲介業者にも支払う手数料があります。
手数料の種類は、売り手も買い手も同じです。
着手金、中間金、成功報酬があり、実際にどのように手数料を支払うかは仲介業者によって異なります。
買い手も複数の仲介業者に登録することが想定されますので、最も適切な業者を選択しましょう。
3.デューデリジェンス
デューデリジェンスとは、簡単に言えば企業監査であり、買い手が最も重視する部分と言われています。
デューデリジェンスには、財務から法務まで幅広い領域が含まれており、売り手に合わせて適切なデューデリジェンスを行います。
デューデリジェンスが重要な理由は、M&Aを行うとプラスの資産だけでなく、負債などのマイナスの資産も引き継ぐことになるからです。
そのため、デューデリジェンスには細心の注意を払う必要があります。
このデューデリジェンスの相場は30万円から300万円程度で、一概には言えません。
デューデリジェンスの目的、対象企業の規模、部署数などによって大きく異なるためです。
4.その他
上記2つの費用に加え、買主にかかる税金があります。
M&Aが事業譲渡であれば、資産の譲渡として税金が課されます。
また、M&Aが不動産の譲渡を伴う場合は、不動産の登記にも税金が課されます。
事業承継はCISコンサルティング税理士法人におまかせください
今回は、M&Aにはどんな費用がいくらくらいかかるにかについて解説しました。
大きな費用は、売り手にとっては税金、買い手にとっては買取費用です。
具体的な費用は、事例によって異なるため、気になる方はお気軽にCISコンサルティング税理士法人にご相談ください。
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電話番号 | 06-6203-8531 |
対応時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日も対応可能) |


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- 代表者
- 滝 亮史(たき りょうじ)
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- 所属団体
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- 近畿税理士会
- 大阪府中小企業診断協会
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- 経歴
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- 税理士事務所、大手税理士法人に約11年間勤務後、平成26年にCISコンサルティング株式会社、滝亮史税理士事務所開設。
- 平成19年税理士登録(登録番号107863)、平成25年中小企業診断士登録(登録番号411767)